文京区本駒込にある定泉寺様で建仁寺垣を施工させて頂きました。ご住職の、「路地を歩く人に少しでも温かみを感じて欲しい」という願いが込められています。
この路地は、近隣にお住まいの方々の通勤や通学のためのぬけみちとなっていて、かなり多くの方が利用されます。コンクリート塀を自然素材の竹垣に変えたことで、工事中、たくさんの方から激励を受けました。歩いていて気持ちが良いという声が特に多かったです。
建仁寺垣は、遮蔽垣の中では最も多く用いられる垣根です。美しさに加えて、構造上の無駄の無さ、耐用年数も兼ね備えています。スタンダードなのにあらゆる意味で視覚的効果を発揮します。
上の写真では、横に渡した半割の竹(押縁)が遠近感を際だたせます。
上の写真は裏門側ですが、押し縁の間隔が路地側とは違い、おとなしいイメージを受けます。このように横に渡す押し縁の間隔(割間)によって同じ種類の竹垣でも、様々な表情になります。
竹垣の善し悪しは、高さ 割間 竹の太さ等の設定が施工現場とマッチしているかによって左右されるといっても良いでしょう。
それでは施工過程を紹介します。
柱を立て、骨組(胴縁)を取り付けていきます。
通常は、胴縁にも竹を用いますが、垂木に防腐剤を染みこませたものを用いました。耐用年数が増し、縦に並べた割竹(立て子)のばらつきも抑えられます。この胴縁を取り付ける段階で割間を吟味します。
ほぞをきって胴縁を差し込むことで強度に差が出ます。
真竹の山割り(立て子)をかきつけていきます。
竹は上に行くに従って細くなるので、垂直を確認しながら天地交互にかきつけます。
竹の節を美しくちらす(節がそろわない)ことにも気をつかいます。
今回は両面建仁寺垣なので、同時に裏面もかきつけていきます。
裏面は、間柱が見えるので違った印象を受けます。
次に押縁を取り付けていきます。
半割竹の元末が交互になるように割り振ります。
裏側は、一段おきに州浜形式の押縁とした。(細く裂いた竹を重ねて用いたもの)
笠竹(玉縁)の取付の様子。
玉縁と押縁では竹の割り方が違う。基礎的なことですが出来映えにかなり差が出ます。
棕櫚縄で結束するのが一般的ですが、代わりに銅線で仕上げました。すっきりとした建仁寺垣が完成しました。
表側と裏側でイメージを変えています。
近年天然素材の竹垣が減ってきました。町の景観や、邸宅の印象を暖かで、人情味ある景色に変える竹垣をもう一度見直して欲しいと願っています。
定泉寺様、大変有難うございました。
